アドラー心理学では時々突拍子もない主張をします。
ある意味で過去は存在しないというのです。
存在するのは『今』だけであり、
『今の目的』に合致する出来事だけを、
過去に起こった膨大な出来事の中から選び、
意味付けを行い、
自らの記憶として利用しているというのです。
逆説的に言えば、
『今の目的』に反する出来事は全て消去できるということになります。
要するに過去に縛られて生きているような人は結構多いですが、
それは今の自分の目的にあわせて
その過去を引っ張り出して、
縛られているような格好をすることを選択しているのだそう。
例えばいじめが原因で引きこもった人がいます。
今もなおいじめを引きずって
引きこもっている人がいる。
普通ならばそんなに辛い過去があったのだから、
ある程度は致し方のないことのように
思ってしまいます。
しかし、アドラーは
引きこもってこれ以上傷つかないようにするために、
いじめられたという過去を選び使用しているのだ
という解釈をするのです。
周りからこの論理を振りかざされたら結構しんどいですが、
自発的にこの論理に気付き、
積極的に取り入れようと思うのなら、
この論理は大きな救いになるのではないでしょうか?