お客様は神様という言葉に
私は常々疑問を持ってきました。
商売とはwin-winの
ものであると思うからです。
ところが小売業なんかのお客さんの対応を見ていると、
自己肯定感をそんなところでしか持てないのか、
店員さんに横柄な態度
をとっている輩が
うじゃうじゃ潜んでいます。
そもそものところを考えて見ましょう。
人間は自給自足で生きてきました。
狩猟に長ける人
野菜を作る人
魚をとってくる人
様々な人がいて、
『野菜ばっかじゃ飽きちゃうから、
魚と交換してくれよ!』
まぁこんな流れで物々交換をしていたのでしょう。
しかし物々交換というのは結構手間で、
その取引の効率化を測るために共通の価値を持つもの
つまり『お金』ができたわけです。
そうするとお金で物を買うというのは
物々交換と本来意味は変わらないはずです。
魚 ⇄ 野菜
お金 ⇄ 野菜
というように魚と同価値のお金というものに
置き換えたわけです。
魚と野菜を交換していた時は
お互いにありがとうと言いながら
ものを交換していたはずです。
しかし同価値のお金に置き換えた瞬間、
お金(魚)を渡す側が神様になってしまうのは
おかしな話ではないでしょうか。
これには現代の過多なサービスや、
小売業が需要に対して乱立していることが
背景にあることはわかります。
そもそも
『お客様は神様』
ではなく
『お客様を神様の
ように扱いなさい』という
意味合いであったのではないでしょうか。
後者であれば納得がいくわけです。
自分にない物をお客様がくれるので、
それに感謝しましょうということなら
素敵な考え方です。
しかしどこかで言葉尻だけを捉えた人間が、
お客様は神様というわけのわからないことを
言いだしたせいでおかしくなってしまったのです。
そしてその言葉を消費者が
勘違いしてしまったが為に
お金を払う=偉い
という謎の価値観を生み出してしまいました。
自分にない価値をくれる人に、
自分が与えられる
価値で応えるという
のが商売にあるべき考え方のはずです。
だとすれば、
売る側も『ありがとう』
売ってもらう側も『ありがとう』
という言葉の応酬であるべきなのです。
早く勘違いをした人が減ることを祈っております。